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かすみ草を庭に植えてはいけない理由とプランターでの育て方

かすみ草を庭に植えてはいけないイメージ

可憐な白い花で花束やアレンジメントの名脇役として知られるかすみ草。その愛らしい姿から、ご自宅のお庭に植えてガーデニングを楽しみたいと考える方も多いのではないでしょうか。

しかし、インターネットで検索すると「かすみ草は庭に植えてはいけない」という気になる言葉を目にすることがあります。実は、かすみ草はその繊細な見た目とは裏腹に、地植えにしてしまうと手に負えないほど増えすぎてしまったり、適切な植える場所を選ばないと日本の夏を越せずに枯れたらどうしよう、と悩むことが少なくありません。

特にガーデニング初心者の方にとっては、基本的な育て方そのものや、プランターでの管理方法、性質が全く異なる多年草と一年草の見分け方、他の植物との寄せ植えにおける相性、さらには最適な植える時期や美しい開花期を長く楽しむコツなど、疑問点が尽きないことでしょう。

この記事では、なぜ「かすみ草を庭に植えてはいけない」と言われるのか、その科学的な理由から、皆さまのよくある質問に至るまで、あらゆる角度から徹底的に解説し、かすみ草を上手に育てるための解決策を提案します。

この記事のポイント

  • かすみ草を庭に植えてはいけないと言われる本当の理由
  • 地植えに伴う様々なリスクを回避するための具体的な対策
  • 初心者でも安心して始められるかすみ草の育て方の全知識
  • プランター栽培や寄せ植えでかすみ草の魅力を最大限に引き出す方法

かすみ草を庭に植えてはいけないと言われる理由

かすみ草を庭に植えてはいけないイメージ

可憐な見た目からは想像もつかないかもしれませんが、かすみ草の地植えにはいくつかの重大なリスクが伴います。ここでは、なぜ専門家や経験者から「庭に植えてはいけない」とまで言われることがあるのか、その具体的な理由を繁殖力や根の性質、日本の気候との相性といった5つの側面から詳しく解説していきます。知らずに植えて後悔しないために、まずはかすみ草が持つ意外なデメリットをしっかりと理解しましょう。

  • 増えすぎに注意!こまめな管理が必要
  • 地植えで後悔しないための注意点
  • 失敗しないための植える場所の選び方
  • 多年草と一年草の見分け方を知ろう
  • 枯れたらどうする?高温多湿への弱さ

増えすぎに注意!こまめな管理が必要

かすみ草を庭に植える際に最も警戒すべき点は、その驚異的な繁殖力です。特に宿根性(多年草)のかすみ草は、一度庭に根付くと、年々その勢力を拡大していきます。この繁殖には、主に2つのメカニズムが関わっています。

一つは、地下の根による領域拡大です。宿根かすみ草の株は、冬に地上部が枯れても、地中でたくましく生き続けます。そして春になると、前年よりもさらに広範囲に根を張り、株自体がひと回りもふた回りも大きく成長します。これにより、周囲の植物が栄養や水分を吸収する領域を奪ってしまうのです。

もう一つは、こぼれ種による無計画な増殖です。開花後に無数の小さな種ができますが、これを放置すると風や雨によって庭中に拡散されます。そして、かすみ草にとって好条件の場所を見つけると、翌年には思いもよらない場所から新しい芽を出し始めます。最初は微笑ましく感じられるかもしれませんが、数年後には庭のあちこちがかすみ草に乗っ取られてしまう、という事態にもなりかねません。

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増えすぎたかすみ草の除去は困難を極める

かすみ草は地中深くまで太い根を張るため、一度増えてしまうと完全に取り除くのは非常に困難です。中途半端に掘り起こしても、地中に少しでも根が残っていると、そこから再び再生するほどの生命力を持っています。庭全体の土を入れ替えるような大掛かりな作業をしない限り、根絶は難しいと考えた方が良いでしょう。将来的な庭のリフォームや、管理の手間を極力減らしたい方にとっては、この性質は大きなデメリットとなります。

このような理由から、特にスペースに限りがある都市部の庭や、こまめな花がら摘み・除草といった管理が難しい場合には、かすみ草の地植えは慎重に検討する必要があるのです。

 

地植えで後悔しないための注意点

かすみ草の地植えで後悔するもう一つの重要なポイントは、「移植を極端に嫌う」という、そのデリケートな根の性質にあります。かすみ草の根は、ゴボウのように太い一本の主根が地中深くにまっすぐ伸びていく「直根性(ちょっこんせい)」という特徴を持っています。この主根からは細い側根が出て水分や養分を吸収しますが、植物の生命線ともいえるのは、この太くまっすぐな主根です。

この主根は非常に繊細で、植え替えの際に少しでも傷つけたり、折ってしまったりすると、株全体が深刻なダメージを受け、水分をうまく吸い上げられなくなります。その結果、急速に弱り、最悪の場合はそのまま枯れてしまうのです。

そのため、「日当たりが悪いから、もう少し育ったら日向に移動させよう」といった、他の草花では可能な植え替えが、かすみ草ではほとんど不可能です。苗を植え付けたその場所が、その株にとって一生涯のすみかになると覚悟を決める必要があります。

最初の場所選びがかすみ草の運命を決める

かすみ草を地植えにする際は、苗が小さいうちから、数年後に成長した株の最終的な大きさ(高さ約1m、幅約80cmなど)を正確に想定し、将来にわたって他の植物や構造物と干渉しない場所を、極めて慎重に選ばなければなりません。一度植えたら二度と動かせないということを肝に銘じて計画を立てることが、後悔しないための最も重要な鍵となります。

この移植の難易度の高さが、ガーデニング初心者の方が気軽に地植えに挑戦しにくい、専門家が警鐘を鳴らす大きな理由となっています。

 

失敗しないための植える場所の選び方

かすみ草を庭に植えてはいけないイメージ

かすみ草の栽培が失敗に終わる原因の多くは、植える場所の環境が、かすみ草の性質に合っていないことに起因します。かすみ草の原産地は、地中海沿岸や中央アジアなど、比較的乾燥した冷涼な気候の地域です。高温で湿度が高い日本の夏は、かすみ草にとっては非常に過酷で、生存を脅かすほどのストレス環境なのです。

かすみ草を元気に育てるためには、植物の故郷の環境にできるだけ近い場所を庭の中に見つけてあげることが不可欠です。具体的には、以下の3つの絶対条件を満たす場所が理想的と言えます。

かすみ草栽培成功のための3つの絶対条件

  1. 十分な日当たり:
    かすみ草は日光をエネルギー源とする「長日植物」です。これは、一日のうち昼の長さ(日照時間)が一定時間以上になると花芽を形成する植物のことで、かすみ草の場合は1日に最低でも12時間以上の日光が必要とされています。日照不足は、葉が茂るだけで花が咲かないという致命的な結果を招きます。
  2. 卓越した風通し:
    湿気がこもることは、病気を誘発する最大の要因です。特に株元が蒸れると、そこから病気が発生しやすくなります。建物や塀の陰で空気がよどむ場所は避け、常にそよ風が吹き抜けるような開けた場所を選びましょう。
  3. 完璧な水はけ:
    かすみ草は過湿を何よりも嫌います。雨が降った後に水たまりができるような粘土質の土壌は絶対に避けなければなりません。庭の中で少しだけ高くなっている場所や、傾斜があって水が自然に流れる場所が最適です。もし平坦な場所に植える場合は、土を20~30cmほど盛り上げて畝(うね)を作り、その頂上に植えることで排水性を劇的に改善できます。

また、土壌の性質も重要です。日本の土壌は雨が多いため弱酸性に傾きがちですが、かすみ草は石灰岩質の土地に自生していることから、弱アルカリ性の土壌を好みます。植え付け前に苦土石灰などを混ぜて土壌のpHを調整してあげることが、健全な生育を促します。これらの条件を満たさない場所に植えると、根が正常に機能せず、花を見ることなく枯れてしまう可能性が非常に高くなります。

 

多年草と一年草の見分け方を知ろう

「かすみ草」と一括りで販売されていることもありますが、園芸の世界では、その性質によって大きく「一年草タイプ」「宿根草(多年草)タイプ」に分けられます。この根本的な違いを理解せずに購入・植栽してしまうと、「毎年咲くと思って買ったのに、夏に枯れてしまった」「小さな花壇に植えたら、予想以上に大きくなりすぎて他の花を覆ってしまった」といった取り返しのつかない失敗につながります。

一般的に、花束などで私たちが目にする、ボリューム感のあるかすみ草は、宿根草の「パニクラータ種(G. paniculata)」です。これは非常に大きくなるため、広いスペースが必要になります。一方で、ガーデニングで手軽に楽しみたい場合は、夏越しは難しいもののコンパクトにまとまり、可憐な花を咲かせる一年草の「エレガンス種(G. elegans)」などが向いています。購入する前には、苗のラベルを注意深く確認し、どちらのタイプなのかを必ず把握しましょう。

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苗のラベルに「宿根かすみ草」や学名「Gypsophila paniculata」とあれば多年草です。「かすみ草」や学名「Gypsophila elegans」とあれば一年草の可能性が高いですね。迷ったら、遠慮なく園芸店のスタッフに尋ねるのが一番確実ですよ!
項目 一年草タイプ 宿根草(多年草)タイプ
寿命 その年限り(種をまいてから約1年で一生を終える) 数年~十数年(冬は地上部が枯れるが根は生きている)
草丈 比較的低い(20cm~50cm程度) 非常に高い(80cm~120cm、支柱が必要になることも)
主な用途 花壇の前景、寄せ植え、プランター、ハンギングバスケット 切り花、広い花壇の後景、ボーダーガーデン
代表的な品種群 エレガンス種(‘コベント・ガーデン・マーケット’など)、ムラリス種(‘ジプシー’シリーズなど) パニクラータ種(‘ブリストル・フェアリー’、‘フェスティバル・スノー’など)
性質と注意点 日本の高温多湿な夏を越せずに枯れることが多い。コンパクトで管理しやすい。 繁殖力が非常に強く、株が大きくなりすぎる傾向がある。耐寒性は強い。

このように、どちらのタイプを選ぶかによって、必要なスペース、管理方法、そして庭の将来像が全く異なってきます。ご自身のガーデニングスタイルや庭の環境に合わせて、最適なタイプを選ぶ知識が不可欠です。(参考:NHK趣味の園芸 カスミソウの基本情報

 

枯れたらどうする?高温多湿への弱さ

前述の通り、かすみ草にとって日本の高温多湿な夏は最大の試練です。特に梅雨の長雨が続く時期から、気温と湿度がピークに達する真夏にかけて、春まで元気に育っていたかすみ草が突然力なく萎れ、枯れてしまう事例が頻繁に報告されます。

その枯死に至る主な原因は、過剰な水分と高温によって引き起こされる「根腐れ」や、土壌中の病原菌による「立枯病(たちがれびょう)」です。

「根腐れ」は、土の中の水分が多すぎることで、根が酸素不足に陥り、文字通り腐ってしまう状態です。これにより、植物は水分や養分を吸収できなくなり、枯死に至ります。

一方、「立枯病」は、フザリウム菌などの土壌に生息するカビが原因で発生する深刻な病気です。これらの病原菌は高温多湿の環境で爆発的に増殖し、植物の根や茎の根元から侵入します。一度感染すると、植物内の水の通り道が塞がれ、急速に全体がしおれて枯れてしまいます。発症後の回復はほぼ見込めず、非常に厄介な病気です。

水のやりすぎは「百害あって一利なし」

かすみ草は本来、乾燥に非常に強い植物です。地植えの場合、植え付け時に根付くまでは水やりが必要ですが、その後は自然の雨だけで十分に育ちます。真夏の炎天下で土がカラカラに乾ききっている日が続く場合を除き、積極的な水やりは不要です。むしろ、心配して水を与えすぎることが、根腐れや病気を誘発する最大の引き金となります。「土の表面が乾いてからさらに数日待つ」くらいの、徹底して「乾かし気味」の管理を心がけてください。(参考:花・植物の水のあげ方 | サントリーホールディングス

「枯れたらどうしよう」と事後に対処するのではなく、こうした生理的特徴や病気のリスクを理解し、水はけの良い場所に植え、水の管理を徹底するという予防策こそが、かすみ草を夏越しさせる唯一の方法と言えるでしょう。

かすみ草を庭に植えてはいけない場合の育て方

かすみ草を庭に植えてはいけないイメージ

かすみ草の地植えには様々な注意点がありますが、いくつかの重要なポイントを押さえれば、その繊細で美しい魅力をご自宅で存分に楽しむことが可能です。このセクションでは、地植えのリスクを賢く回避するためのプランター栽培のコツから、初心者でも失敗しない育て方の基本、さらには寄せ植えでかすみ草の魅力を最大限に引き出す方法まで、育てる喜びを実感できる具体的なノウハウを詳しくご紹介します。

  • プランター栽培で上手に管理するコツ
  • 初心者が押さえるべき育て方のポイント
  • 植える時期と開花期のポイント
  • 寄せ植えの相性が良い植物とは?
  • かすみ草に関するよくある質問
  • かすみ草を庭に植えてはいけない理由まとめ

プランター栽培で上手に管理するコツ

これまで解説してきた地植えに伴う様々なリスク(増えすぎ、移植不可、環境適応の難しさ)をすべて解決し、かすみ草の魅力だけを手軽に楽しむための最善策が、プランターや鉢植えでの栽培です。管理された環境下で育てるプランター栽培には、地植えにはない計り知れないメリットがあります。

プランター栽培がもたらす4つの大きなメリット

  1. 完璧な生育管理:
    「増えすぎ」の問題は完全に解消されます。また、市販されている水はけの良い「草花用培養土」を使用すれば、過湿による根腐れのリスクを劇的に低減できます。
  2. 自由自在な場所移動:
    かすみ草の生育に最も影響を与える天候に合わせて、置き場所を自由に変えられます。梅雨の長雨の時期は雨の当たらない軒下に、日差しが強すぎる真夏は涼しい半日陰に、というように植物にとって最適な環境を能動的に提供できるのが最大の強みです。
  3. 理想的な土壌環境の創出:
    前述の通り、かすみ草はアルカリ性の土を好みます。プランター栽培なら、培養土に苦土石灰や有機石灰を少量混ぜ込むだけで、誰でも簡単に理想的な土壌環境を作り出すことができます。
  4. 病害虫の隔離:
    地植えと比べて、他の植物からの病気や害虫の伝播リスクを低く抑えることができます。万が一、病害虫が発生しても、その鉢を隔離して対処することが可能です。

プランターを選ぶ際の重要なコツは、かすみ草の根が深く伸びる性質を考慮し、直径・深さともに30cm以上ある深めのタイプ(8号~10号鉢相当)を選ぶことです。これにより根が十分に張るスペースを確保でき、地上部も健全に、豊かに茂ります。地植えに少しでも不安を感じる方は、まずは管理が容易で失敗の少ないプランター栽培から、かすみ草との生活を始めてみることを強くお勧めします。

 

初心者が押さえるべき育て方のポイント

かすみ草はいくつかの基本的なポイントさえしっかりと押さえれば、ガーデニング初心者の方でも十分に美しい花を咲かせることができます。難しく考えすぎず、特に重要な「土作り」「水やり」「肥料」、そして「摘心」の4つに集中しましょう。

土作り:弱アルカリ性のふかふかな土を

かすみ草は酸性土壌を嫌うため、植え付けの2週間ほど前に、用土に苦土石灰(くどせっかい)を適量混ぜ込み、土壌を中和させておくことが成功への近道です。市販の草花用培養土に、水はけをさらに良くするためのパーライトや赤玉土小粒を1~2割加えると、より理想的な環境になります。

水やり:徹底した乾燥気味管理

何度もお伝えしますが、過湿はかすみ草にとって最大の敵です。プランター栽培の場合でも、土の表面が完全に白っぽく乾き、指で触れても湿り気を感じなくなってから、鉢底から水が勢いよく流れ出るまでたっぷりと与えるのが基本です。この「しっかり乾かして、たっぷり与える」というメリハリが根を強くします。受け皿に溜まった水は、根腐れの原因になるため、必ず毎回捨ててください。

肥料:与えすぎは逆効果

かすみ草は、痩せた土地でも育つため、多くの肥料を必要としません。肥料が多すぎると、根が傷む「肥料焼け」を起こしたり、葉ばかりが軟弱に茂って花付きが悪くなる「窒素過多」の状態になったりします。植え付け時に土に緩効性化成肥料を少量混ぜ込む「元肥」を施せば、あとは生育が活発になる春先に、液体肥料を規定の倍率より薄めに希釈して2週間に1回程度与えるだけで十分です。

摘心(てきしん):花数を増やすプロの技

本葉が4~5枚に増えてきた頃に、一番上の新芽の先端を指で摘み取る作業を「摘心(ピンチ)」と言います。これにより、脇から新しい芽が2本以上伸びてきて枝数が増え、結果的に花数が格段に多くなり、株全体の形もこんもりとバランス良くまとまります。勇気がいる作業かもしれませんが、豊かな開花のためにぜひ挑戦してみてください。

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「日当たり抜群の場所で、カラカラに乾いたら水やり、肥料はごくたまに、そして勇気を出して一度だけピンチ!」この4つを合言葉にすれば、きっと成功しますよ!

 

植える時期と開花期のポイント

かすみ草のポテンシャルを最大限に引き出し、たくさんの花を楽しむためには、植え付けのタイミングが極めて重要です。かすみ草には春に種をまく「春まき」と秋にまく「秋まき」がありますが、寒さに強い性質を利用して、秋に植え付け、冬の寒さに当てることで株がじっくりと育ち、春にはより大きく丈夫な株となって多くの花を咲かせます。

一年草と宿根草では生育サイクルが若干異なりますので、以下の表を参考に、あなたの地域や育てたい品種に合わせた計画を立てましょう。

種類 種まきの時期 苗の植え付け時期 主な開花期
一年草タイプ 9月~10月(秋まき推奨)
3月~4月(春まき)
10月~11月(推奨)
3月~4月
5月~7月
宿根草(多年草)タイプ 9月~10月(秋まき推奨) 10月~11月(推奨)
2月~4月(寒冷地を除く)
5月~7月(初夏)

花を何度も楽しむ「切り戻し」

かすみ草は、一番花が満開を過ぎて見頃が終わった頃に、思い切って草丈全体の半分から3分の1程度の高さでバッサリと剪定する「切り戻し」を行うことで、株の消耗を防ぎ、脇から新しい芽が再び伸びてきて二番花、三番花を秋まで楽しむことができます。切り戻した後は、お礼として液体肥料を与えると、次の花の生育がスムーズになります。花が終わったからと諦めずに、ぜひこの魔法の作業に挑戦してみてください。

適切な時期に植え付け、開花中に適切な手入れを施すことで、かすみ草はあなたの期待に何度も応えてくれるはずです。

 

寄せ植えの相性が良い植物とは?

かすみ草を庭に植えてはいけないイメージ

かすみ草は、単体で楽しむだけでなく、他の植物と組み合わせる「寄せ植え」において、その真価を最大限に発揮します。主役の花の魅力を引き立て、全体の雰囲気をふんわりとまとめ上げる名プロデューサーのような存在です。その繊細な白い花は、どんな色とも喧嘩せず、むしろ互いの色を鮮やかに見せる効果があります。

寄せ植えのパートナーを選ぶ際の絶対条件は、かすみ草と同じ生育環境を好む植物を選ぶことです。具体的には、「十分な日当たりと優れた水はけを好み、乾燥気味の環境に強い」という性質を共有している植物が最高のパートナーとなります。

デザインと機能性を両立する相性の良い植物たち

  • バラ(特にオールドローズやイングリッシュローズ):
    王道中の王道とも言える組み合わせ。バラの華やかさを、かすみ草が優しく受け止め、クラシックでロマンティックな景観を作り出します。
  • ラベンダーやローズマリー:
    紫と白のコントラストが美しいだけでなく、ハーブ特有の香りが楽しめ、病害虫を遠ざける効果も期待できます。乾燥を好む性質もかすみ草と完璧に一致します。
  • ネペタ(キャットミント):
    青紫色の小花が長く咲き続け、かすみ草と自然に溶け込みます。手入れがほとんど不要で、ナチュラルで野原のような雰囲気のガーデンを目指す方におすすめです。
  • ペチュニアやカリブラコア:
    鮮やかな色彩の花が、かすみ草の白によって一層引き立ちます。比較的乾燥に強いので、管理も一緒にしやすいです。

寄せ植えを成功させるための空間デザイン

かすみ草は成長すると横にもふんわりと広がります。植え付けの際は、将来の成長を見越して、他の植物との間隔を十分に空けることが重要です。これを「株間(かぶま)をとる」と言います。株間を詰めて植えすぎると、風通しが悪化し、蒸れて病気の原因になります。植物同士が軽く触れ合う程度の、心地よい距離感を保ってあげましょう。

主役となる花を中央や後方に配置し、その足元や隙間をかすみ草で優しく埋めるようにデザインすると、プロが作ったような立体的でバランスの良い寄せ植えが完成します。(品種参考:清楚な花の姿が魅力。かすみ草の育て方は?-株式会社ハイポネックスジャパン

 

かすみ草に関するよくある質問

ここでは、かすみ草を育てる上でお客様から特によく寄せられる質問とその回答を、さらに詳しくまとめました。

Q1. かすみ草の匂いが気になりますか?

A1. はい、特に切り花として流通している宿根かすみ草のいくつかの品種には、独特の香りがあります。この香りの感じ方には個人差が大きく、フローラルとは言い難い、少しツンとした匂いと感じる方もいらっしゃいます。これは「メチル酢酸」などの揮発性有機化合物によるものとされています。もし匂いに敏感な方や、リビングなど室内で楽しみたい場合は、購入前に園芸店で香りを確かめるか、近年品種改良によって香りが大幅に軽減された品種(例:「ベールスター」など)を選ぶことをお勧めします。庭に植える場合でも、人が頻繁に通る玄関アプローチや、窓のすぐそばは避けた方が無難かもしれません。

Q2. 冬越しは具体的に何をすれば良いですか?

A2. 宿根かすみ草(多年草)は、北海道などの寒冷地でも特別な防寒対策なしで屋外での冬越しが可能なほど耐寒性が強い植物です。冬になると地上部は自然に枯れて茶色くなりますが、根は地中で休眠状態で生きています。春になると再び力強い新芽が出てきますので、枯れたからといって抜き取らないでください。むしろ、枯れた地上部を秋の終わりから冬の初めに株元から5cmほどの高さで切り取っておくことが重要です。これにより、枯れた茎や葉が病害虫の越冬場所になるのを防ぎ、春の新しい芽吹きをスムーズに促すことができます。一年草タイプは寿命が一年なので冬越しはできません。

Q3. 害虫対策は具体的にどうすればいいですか?

A3. かすみ草は比較的丈夫ですが、春から秋の生育期にはアブラムシハダニが発生することがあります。最も効果的な対策は、風通しを良くして害虫が発生しにくい環境を作ることです。株が密集しすぎないように適度に剪定することが最大の予防策になります。

  • アブラムシ対策:新芽や蕾に密集して発生します。見つけ次第、粘着テープで取り除くか、牛乳を水で薄めたスプレーを吹きかけると窒息させることができます。数が多い場合は、市販の園芸用殺虫剤を使用します。
  • ハダニ対策:高温乾燥期に葉の裏に発生します。非常に小さく見つけにくいですが、葉の色が白っぽく抜けてきたら要注意です。ハダニは水を嫌うため、定期的に葉の裏に霧吹きで水をかける「葉水」が非常に効果的な予防になります。

Q4. ドライフラワーにする簡単なコツはありますか?

A4. かすみ草はドライフラワーに最も適した花の一つです。コツは、花が満開になる少し手前、7~8分咲きの状態で収穫することです。満開を過ぎてからだと、乾燥中に花がポロポロと落ちやすくなります。収穫したら、風通しの良い、直射日光の当たらない室内に、花を下にして逆さに吊るしておくだけです。1~2週間ほどで、美しいドライフラワーが完成します。湿度の高い日はカビの原因になるので避け、晴れた乾燥した日に行うのが成功のポイントです。

 

かすみ草を庭に植えてはいけない理由まとめ

最後に、この記事で解説してきた内容の要点をリスト形式で総括します。かすみ草をあなたの庭に迎えるかどうかを判断する際の、最終的なチェックリストとしてご活用ください。

  • かすみ草は特定の条件下で「庭に植えてはいけない」と言われることがある
  • 最大の理由は宿根草タイプのコントロール不能なほどの繁殖力
  • こぼれ種や地下に広がる根で意図せず増えすぎることがある
  • 一度増殖したかすみ草を庭から完全に除去するのは極めて困難
  • 繊細な直根性のため地植え後の植え替え(移植)ができない
  • したがって最初の植える場所の選定が将来の成否を決定づける
  • 原産地と異なる日本の高温多湿な夏が非常に苦手で枯れやすい
  • 主な枯れる原因は水のやりすぎによる根腐れや土壌伝染性の立枯病
  • 栽培成功には十分な日照・卓越した風通し・完璧な水はけが必須条件
  • ライフサイクルの違う一年草と宿根草(多年草)を正しく見分ける知識が重要
  • これら地植えのリスクはプランター栽培を選択することでほぼ全て回避可能
  • プランターなら繁殖を管理でき天候に応じた場所移動も可能で管理が容易
  • 育て方の基本は弱アルカリ性の土・徹底した乾燥気味の水やり・肥料は控えめ
  • 秋に植え付けると冬の寒さで株が充実し春に多くの花を咲かせる
  • 寄せ植えではかすみ草と同じ生育環境を好む植物と組み合わせることが成功の鍵
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過去に植物を枯らした経験から「もう失敗したくない…」と思い、信頼できる育て方の情報だけをまとめています。一緒にグリーンライフを楽しみましょう!

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